近年、海外旅行で eSIM を利用する人が急増しています。物理SIMカードを差し替える必要がなく、購入から開通までがスピーディーで、料金も従来のローミングよりお得なことが多いためです。出発直前に購入してもすぐ使える点も人気の理由のひとつです。
しかし、多くの利用者が気にするのが 「海外でeSIMを使った場合、自分の電話番号宛てに届く認証コード(SMS・OTP)は受け取れるのか?」 という点です。 この記事では、eSIMでデータ通信を行いながら、日本の電話番号でSMSや着信を受け取るための設定方法をわかりやすく解説します。
- 1. eSIMとは?なぜここまで普及しているのか?
- 2. 音声ローミングをオンにすると料金が発生する?
- 3. 海外でSMSが届かない原因とは?
- 4. eSIMでデータ通信しながら日本の番号でSMS・着信を受け取る設定
- 5. VoLTEが必須の国と、オンにしないとどうなるのか
- まとめ
1. eSIMとは?なぜここまで普及しているのか?
eSIMとはスマートフォンに内蔵された「デジタルSIM」のことで、物理SIMと同じように通信契約を追加・利用できます。QRコードを読み取るだけで新しいプランを追加できるため、カードの抜き差しが不要なのが大きな特徴です。
旅行者にとっての最大のメリットは、 日本のSIM(電話番号)をそのまま残したまま、海外用のデータ通信だけeSIMに切り替えられること。
これにより、現地の高速データ通信を利用しつつ、重要なSMSや電話を日本の番号で受け取ることができます。 海外では、多くの人が「日本の番号 → 通話・SMS」「eSIM → データ通信」という組み合わせで利用しています。
2. 音声ローミングをオンにすると料金が発生する?
よくある不安ですが、答えはとてもシンプルです。
通話の発信・着信、SMS送信、データローミングを使わない限り、基本的に料金は発生しません。 SMSの受信は無料で、音声ローミングをオンにすること自体に料金はかかりません。
音声ローミングは「海外の通信網に日本の番号を接続するための機能」で、課金対象ではありません。
ただし、正確な料金体系は契約しているキャリアによって異なるため、事前に確認しておくのが安心です。
3. 海外でSMSが届かない原因とは?
海外でSMSや電話が届かない原因の多くは、eSIMではなく次のような設定や条件にあります。
①:日本のSIMの「音声ローミング」がオフになっている
音声ローミングがオフだと、日本のSIMは海外の通信網に接続できません。 データ通信をeSIMで行っていても、SMSや着信を受け取るには音声ローミングをオンにする必要があります。
②:VoLTE が未対応またはオフになっている
オーストラリア、アメリカ、シンガポールなど、すでに3Gを停止しVoLTEのみに移行した国が増えています。 このような国では、VoLTEが使えないSIMは音声網に接続できず、SMSも受け取れません。 そのため、日本のキャリアで「海外VoLTEが有効かどうか」を確認し、スマホ側でもVoLTEをオンにしておく必要があります。
その他の原因:料金未払いによる通信停止、回線の一時停止、eSIMを誤って「主回線(通話用)」に設定してしまった。
4. eSIMでデータ通信しながら日本の番号でSMS・着信を受け取る設定
設定はとても簡単で、次の3つだけです。
- モバイルデータ通信をeSIM回線に設定する
- 通話・SMS のデフォルト回線を日本の番号に設定する
- 日本のキャリアで「海外音声ローミング」と「VoLTE」が有効になっているか確認する
この3点を満たせば、eSIMでデータ通信をしながら、日本の番号で問題なくSMSや電話を受け取れるはずです。

5. VoLTEが必須の国と、オンにしないとどうなるのか
世界的に3Gの停波が進んでおり、VoLTEのみを利用する地域が増えています。
3Gが完全に停波した国:アメリカ、オーストラリア、シンガポール
これらの国を訪れる場合、VoLTEがオンでないと音声回線に接続できず、SMSや着信は一切受け取れません。
段階的に3Gを停波している国:日本、韓国、カナダ、オランダ、香港、マカオ、など
まとめ
海外旅行でeSIMを利用しても、日本の電話番号でSMSや着信を受け取れなくなるわけではありません。
重要なのは、 日本の番号を通話・SMSのメイン回線に設定する、音声ローミングをオンにしておく、VoLTE を有効にしておくという3点だけです。
これらを正しく設定すれば、eSIMで快適にデータ通信をしながら、日本の番号宛てのOTPや認証SMSも安心して受け取ることができるはずです。

































